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1.網膜地図(retinotopy)
目で捉えられた視覚情報は大脳の後頭葉にある視覚中枢に送られる。網膜と視覚中枢の間には点対点の地理学的(topographical)な対応関係がある。つまり網膜上のある点は神経径路により視覚中枢の特定の点と結ばれており,この径路を通して,あたかもスライドの画像がプロジェクターを通してスクリーンに写し出されるように,網膜の映像が視覚中枢に投影されるわけである。このような網膜と視覚中枢の対応関係は網膜地図(retinotopy)と呼ばれる。
これまで視覚中枢は三つの部分(17,18,19野)からなり,視覚情報はまず一番後の視覚野(17野)に送られ,ここで処理された情報がその前の部分(視覚前野;18と19野)に送られると考えられていた8,9)。しかしながら最近になって,フクロウザルで視覚中枢の網膜地図が詳細に研究され,少なくともフクロウザルの視覚中枢は6個所の領野に細分化され,それぞれの領野に視覚情報が並列的に送られることが明らかにされた。これらの視覚領野のあるものではその大部分が中心視(視野の中心の最も視力の高い部分)のために使われており,また他の領野は主として周辺視のために使われるということも網膜地図の研究により明らかにされている1,2)。
Studies of retinotopy of the visual cortex of the rhesus monkey demonstrated subdivision into several subareas (V1, V2, V3, V4, MT and VP). Each subarea exhibited response selectivities for characteristic features of a visual stimulus, suggesting their hierarchical participation in visual perception.
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