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40回目の節目を目前にした,この「脳のシンポジウム」は東京女子医科大学脳神経センター長の岩田 誠教授のお世話により,平成16年3月13日と14日の2日間にわたって,女子医大の健保会館で行われた。抜弁天(ぬけべんてん)通りに面した真新しい近代的な建物は,なかなか心地良い雰囲気であった。残念だったのは,せっかくの時期を得た企画であるのに,また講師の方々の熱のこもったご講演であったのに,聴衆がやや少なかったことである。けれども,フロアーからの活発な質問に救われたのは有り難かった。
自己紹介が後になった。私は昨年の7月に高倉公朋東京女子医大学長のあとを受けて日本学術会議会員となり,したがってこの「脳・神経学研究連絡委員会」をお預かりすることになった。本来ならばあと3年は任期があるはずなのだが,任期も含めて日本学術会議そのものの大改革が行われようとしている。新しい法案作りが2月の閣議で了承され,今国会で審議が行われている。改革のポイントの一つは,任期が6年になる代わりに再任はなく,70歳定年となることである。法案が通ると,今期の会員は2005年の9月に全員辞職することになっている。もう一つ重要な改革は,学協会からなる研究連絡委員会が,現法律(日本学術会議法なるものが存在する)から消滅することである。したがって,これまでの会員選出母体が無くなり,新たな会員はco-optationによる,つまり現会員が選ぶことになる。その他にもいくつかの改革点があるが,まだ確定しているわけではない。しかし,これまで40年近くにわたって営々と続けられてきたこの「脳のシンポジウム」の主催母体が,これまでのような「学術会議の脳研連」ではなくなることだけは確かである。こう言っては角が立つかも知れないが,主催者がどうなろうと,「脳のシンポジウム」の価値は決して変わらない,と私は思っている。だから,このシンポジウムは今後も続けるべきであるし,続けるために努力するのが私に課せられた義務であると思っている。第40回も,第41回も必ずこのシンポジウムは開かれるに違いない。
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