連載 Medical Oncology 2.0[8]【最終回】
バイアスの少ない合意形成が導く最適ながん診療の実践
公平 誠
1
1公平病院腫瘍内科
pp.610-616
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200501
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
なぜ患者さんは合理的でない決定をしてしまうのか?
前回まで、リスク下や不確実下でも最適解を得るためのスキルについて解説してきました。さぁこれで準備万端、実践だ!と意気込んで、練りに練った「最適解」を導き出し、自信たっぷりにいざ患者さんとの面談に臨んだものの、思わしくない反応に戸惑ってしまう……。「最適解」と考えられた選択肢にもかかわらず、患者さんは、こちらからするとどうしても合理的とは思えない選択をされる。そんなとき、私たちは無力感を感じてしまうのではないでしょうか。
どんなによい治療だと考えていても、患者さんにとって納得できる選択でなければ、その効果を発揮することはできません。連載最終回である今回は、治療計画スキルの最後のステップでもある、患者さんとの“合意形成”を扱っていきます。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.