連載 Medical Oncology 2.0[5]
がん診療の「最適解」を導く技術 その2
公平 誠
1
1公平病院腫瘍内科
pp.548-553
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200355
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アウトカムとプロセス、どちらが大切なのか?
私の人生でいつも迷うことがあります。「結果が全て」なのか? それとも「過程が大事」なのか? 学生時代、部活でスポーツに打ち込んでいたときも社会人になって仕事に取り組むときも、どちらが大切なんだろうとよく考えていたものです。
医療現場ではどちらが大切なのでしょうか? 患者さんの立場からすれば「結果が全て」かもしれません。テレビや映画などフィクションの医療ドラマでは、「破天荒な医師が独創的な手技で患者さんを完治させる」という話がありますよね。それはそれでよいような気もします。しかし、現実には「再現性の高い標準化された診療プロセスを踏むことで適切な診療に導く」ように医学教育や臨床研修は行なわれています。ですが、適切なプロセスを経た診療が最良の結果をもたらすかというと必ずしもそうではありません。これが、「過程が大事、プロセス重視」のアプローチがもつ弱点です。
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