増刊号 学会発表・論文執筆はもう怖くない! 臨床検査技師のための研究入門
2章 研究の進めかた
対象者とアウトカムの設定方法—バイアスの少ない研究を目指そう
中杤 昌弘
1
1名古屋大学大学院医学系研究科総合保健学専攻実社会情報健康医療学講座
キーワード:
偶然誤差
,
系統誤差
,
選択バイアス
,
情報バイアス
,
交絡
Keyword:
偶然誤差
,
系統誤差
,
選択バイアス
,
情報バイアス
,
交絡
pp.880-885
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208097
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
これまでの稿で紹介されてきたように,PECO/PICOによって研究のリサーチクエスチョンを明確化し,研究デザインを決めてきた.しかし,PECO/PICOで定めた対象者(PECO/PICOのPEC/PIC部分)とアウトカム(PECO/PICOのO)の設定は本当にこれで大丈夫だろうか? 研究デザインに穴がありはしないだろうか?
医学研究(特に人を対象とした研究)では,データの収集過程でしばしば意図しない偏り(バイアス)がデータに入り込み,誤った研究結果,誤った解釈をもたらすことがある.そのため,バイアスの影響を受けない,あるいは受ける影響を可能な限り少なくするように,研究の対象者とアウトカムを設定する必要がある.本稿では,さまざまなバイアスとその対処方法について紹介する.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.