連載 Medical Oncology 2.0[4]
がん診療の「最適解」を導く技術 その1
公平 誠
1
1公平病院腫瘍内科
pp.332-337
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200303
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
「最適解」という考え方—日常診療に正解はあるのか?
前回までは、「問題を設定する」ことに焦点をあててきました。今回からは「問題を解く」に取り組んでいきます。そのなかで、私たちが得るべき「解」というものの性質を考えながら、患者さんにとっての「よい」解決策を得るための頭の整理をしていきましょう。
私たちは、学校でのテストや受験などで「正解」が設定されている問題に慣れてきました。一方で社会に出ると、『全てのことに「正解」があると思うな』とも教えられます。もし、試験問題のように医療にも「正解」と「不正解」があるものと考える立場であれば、自分が「正解」と考える以外の治療を「不正解」として扱うことになります(治療方針を検討するカンファレンスが紛糾し、他の医師に心ない思いを抱く原因はここにあります)。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.