特集 総合診療医×がん治療医でハイリスク症状を見抜く—帰してはいけない がん外来患者
Part2 ケースで学ぶ! がん診療の診断エラー
低Na血症—SIADHを疑っていたら……?
矢崎 秀
1
1国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科
pp.520-525
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200488
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Case
49歳、男性。診断:非小細胞肺がん。既往歴/合併症:糖尿病(メトホルミンを内服中)、脂質異常症(アトルバスタチンを内服中)。
本症例では、低Na血症の原因が抗利尿ホルモン分泌異常症候群(syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone;SIADH)によると診断された。しかし、水分制限、塩分負荷を行なうもNa値の改善は乏しく、倦怠感、食思不振も改善していない。結果として、本当の原因は「続発性副腎不全」であった。詳細な流れとともに、背景にある免疫関連有害事象との関係についてみてみよう。
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