特集 緩和ケア実践マニュアル Start Up & Beyond PEACE
Part3 症状別緩和ケアスキルBeyond PEACE
Oncology Emergency. 2—脊髄圧迫症候群
櫻井 宏樹
1
1がん研有明病院緩和治療科
pp.136-139
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200384
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総論
悪性腫瘍由来の脊髄圧迫で有症状のものは3〜5%の患者に起こる。原発巣として肺がん(25%)、前立腺がん(16%)、多発性骨髄腫(11%)、乳がん(7%)の順で多い。原発巣毎の年間発症率は多発性骨髄腫(15%)、悪性リンパ腫(6〜8%)、前立腺がん・腎がん(5%)、甲状腺がん(2%)である1。
機序としては、がん細胞が骨芽細胞を介して破骨細胞を活性化し、骨吸収を促して腫瘍細胞が定着、そこから骨基質からの物質(TGF-βなど)が腫瘍細胞を更に刺激するという悪循環で骨転移が進む。脊髄圧迫による麻痺は、脊椎に転移した腫瘤がバトソン静脈叢を圧迫して閉塞を起こし、脊髄の浮腫・梗塞をきたすことで生じる。
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