特集 緩和ケア実践マニュアル Start Up & Beyond PEACE
Part2 治療医が行なう緩和ケア初回面接
緩和ケア初回面接の方法と実際—5つの原則
西 智弘
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1川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンター腫瘍内科/緩和ケア内科
pp.32-36
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200369
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はじめに
緩和ケアの初回面接について、早期からの緩和ケアにおける初診と、緩和ケア病棟に入棟するための初診外来では若干異なることもあるが、本稿では緩和ケア初診面談の実際について、両方の外来に共通する内容を中心に、早期からの緩和ケア外来を例としてお示ししたい。
理論的な背景はのちに述べることとして、まずはその実際の流れについて、当院で行なわれている緩和ケア外来の会話の例を提示する。もちろんこれは私が使っているひとつの型であり、別の型もあるが、いずれにしても自分のなかである程度「こういう順番で話をしていくぞ」というテンプレートはあったほうが、会話が進みやすいことが多い。緩和ケアにおいては、話題が重たくなることが多く、経験が少ないなかでそれに臨もうとすると、話が続かなくなって不十分な面接に終わることも少なくないからだ。
まず最初に行なうことは、「病状理解の把握」である。では、そこから開始される会話をみていきたい。
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