特集 緩和ケア実践マニュアル Start Up & Beyond PEACE
Part1 タイムラインとイベントからみるACP実践
Huiによる「緩和ケアが導入されるタイミングに関する国際デルファイによる基準」を解説する
西 智弘
1
1川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンター腫瘍内科/緩和ケア内科
pp.28-30
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200368
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はじめに
早期からの緩和ケアの重要性については世界的なコンセンサスが得られているものの、実際に全ての進行がん患者に対して診断時から専門的緩和ケアサービスが介入していくことは人的資源の不足や費用対効果の問題から難しい面があることも事実である1,2。実際に、診断時からの介入と診断後3ヶ月経ってからの看護師による介入の無作為化比較試験ENABLE Ⅲでは、QOLや症状の改善に差がなかったという結果も示されており、全ての症例に対して一律に同じアプローチを行なうことの妥当性は疑問視されている3。
現実的には、ある程度のところまではがん治療医が中心となって診療を継続し、抗がん剤治療中の適切な時期に、専門的緩和ケアサービスへ紹介していくというのが妥当だろう。
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