特集 恐れず恐れよ!骨転移診療 超実践ガイド
Part2 骨転移は誰が、どう診ればよいのか
各職種の役割と現場を変える積極的なかかわり方
原発乳がん担当科の立場から
林 直輝
1
1聖路加国際病院乳腺外科
pp.414
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200324
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チーム介入前の課題
骨転移の治療の目的は骨関連事象(skeltal-related events;SRE)を抑制し、骨痛を低下、コントロールすることで患者のQOL(quality of life)を改善、維持させることであり、基本的に乳がんに対する全身治療を行なう1,2。それに並行して骨転移に対する骨修飾薬剤としてビスフォスフォネートやデノスマブを投与することで病状コントロールは以前より良好になってきたが3、骨転移の症状や部位、骨折リスクや疼痛の強さ、更には現時点での治療効果の評価自体が困難であることがある。更に、ホルモン治療や化学療法などの全身治療を優先すべきか、手術適応となるか、照射で疼痛コントロールを図るべきかなどの判断が難しいうえに、各部署での他の治療に関する認識が異なることもある。このため、治療の選択や判断に時間を要することがあった。
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