特集 恐れず恐れよ!骨転移診療 超実践ガイド
Part2 骨転移は誰が、どう診ればよいのか
各職種の役割と現場を変える積極的なかかわり方
腫瘍内科の立場から
扇田 信
1
1聖路加国際病院腫瘍内科
pp.413
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200323
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チーム介入前の課題
正直なところ骨転移キャンサーボード設立以前の状態は思い出したくない。確かに、骨転移に対する治療の選択肢は今とさほど変わりはない。しかし、個々の患者に最善の治療が、最良の時期に行なわれていたかというと、振り返ってみて自信がない。
なぜこの患者には手術はできないのか。手術できないと言われたら諦めるしかないのか。私のなかで消化不良のままであった。また、手術後の化学療法再開によって創部感染を起こす不安を常に抱えていた。それぞれの治療を点とすると、必要時だけ点と点を細い糸で結ぶような診療であったと思う。患者は、その糸の上を綱渡りするように治療を受けていた。
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