特集 薬物療法マニュアル
Ⅳ.術後愁訴と合併症の薬物療法
7.消化器系
悪心,嘔吐
谷口 繁
1
Shigeru TANIGUCHI
1
1岩手医科大学高次救急センター
pp.286-287
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903857
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病態
術後患者の愁訴として,悪心,嘔吐は少なくない.術後の嘔吐は一律ではなく,種々の病態によって起こる.嘔吐の原因を正しく把握するには注意深い観察が必要であり,安易に対症療法にとどまってはならない.輸液による体液調整,胃,腸管の減圧,適切な食事療法などがより重要であり,制吐剤にのみに頼ってはならない.嘔吐中枢は網様体外背側部にあり,chemoreceptor triggerzone(CTZ)や求心性神経を介して嘔吐刺激が伝わる1).中毒物質,体内代謝産物などはCTZを介して,内臓からの刺激は求心性神経を介して嘔吐中枢に伝えられる.
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