連載 Evidence “The Classic” Review
《乳がん》Before and After Trastuzumab:乳がん分子標的治療薬の先駆者トラスツズマブ
山内 照夫
1
1聖路加国際病院腫瘍内科
pp.316-317
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200200
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
Summary
乳がん治療は他の固形腫瘍に比べて早い時期から「ホルモン療法」という分子標的治療が行なわれてきた。それだけでなく、1990年代後半には現在の分子標的治療薬時代を引っ張る存在となる薬剤、トラスツズマブがHER2陽性乳がんの治療に応用されるようになった。乳がん領域には、治療の大きな転換期をいくつか垣間見ることができる。
本稿では、1990年代前半、トラスツズマブ単剤・併用療法の安全性と効果が証明されつつある頃の試験を紹介する。本試験は、Slamon医師ら1が行なったHER2陽性転移乳がん患者を対象にした一次治療における第Ⅲ相試験であり、この結果から、現在のHER2陽性転移乳がんのタキサン系薬剤との併用が確立されることになった。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.