Cancer Board Conference case1
あなたはこの乳がん患者さんに術前化学療法で「プラチナ製剤」投与を勧めますか?(聖路加国際病院 サマースクール2016 Debate Session)
林 直輝
1
,
和田 朝香
1
,
本成 登貴和
1
,
深津 裕美
1
,
石井 太祐
1
,
関 晶南
1
,
越智 友洋
1
,
中山 可南子
1
,
矢崎 秀
1
1聖路加国際病院乳腺外科
pp.5-20
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200149
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症例
るか子さん、35歳。
・既婚:子どもは2人(5歳、3歳)
・家族歴:母:45歳で腹膜がん
母方祖母:45歳で両側性乳がん
最近になって右乳房にしこりを触知し、近医を受診。針生検(core needle biopsy;CNB)の結果、乳がんの診断にて当院に紹介され受診となった。
診断の結果、乳房右C領域に4cm大の腫瘤があり、CNBでNG(核グレード)3、ER0、PgR0、HER2 0、Ki-67 70%。腋窩リンパ節がLevel Ⅱまで腫大しており、穿刺吸引細胞診(fine needle aspiration cytology;FNA)でclass Ⅴ、腋窩リンパ節転移あり。全身検索で、遠隔転移(肝・肺・骨)は認めなかった。最終診断は、cT2N2M0 Stage ⅢA。家族歴より遺伝カウンセリングの後、検査を施行したところBRCA(breast cancer susceptibility gene)1*ⅰ変異あり。術前化学療法を施行する方針となった。
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