Cancer Board Conference case2
Large Type3/Type4胃がん患者に対する術前補助化学療法の適応(聖マリアンナ医科大学病院 Cancer Board)
伊澤 直樹
1
1聖マリアンナ医科大学病院
pp.21-31
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200150
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
司会 本日は、「Large(腫瘍の最大径が8cm以上) Type3/Type4胃がん患者に対する術前補助化学療法(neoadjuvant chemotherapy:NAC)の適応」というテーマで、皆さんとディスカッションさせていただければと思います。
まず、現状での当院における治療アルゴリズムをお示しします(Fig.1)。これは、2011年にこのcancer boardで議論して決定したものです。
特殊な治療戦略を考慮する必要がある患者のなかで、Large Type3/Type4の方には審査腹腔鏡(staging laparoscopy)を施行し、腹腔細胞診(peritoneal cytology:CY)*ⅰと腹膜播種(peritoneal dissemination:P)*ⅱの結果に応じて治療を行なっているのが現状です。CY1もしくはP1(胃癌取扱い規約第12版に基づく、以下同様)であればNACを施行し、CY0P0であれば、手術を先行することとしています。
今回、外科の先生方からLarge Type3/Type4の患者で“CY0P0”の場合のNACの必要性について検討したいとの要望がありました。このアルゴリズムを作成してから5年が経ったということもありますので、この機会に一度皆さんと一緒に「Large Type3/Type4でNACをどうするのか」について再検討したいと思います。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.