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これまでのシンポジウムは各シンポジストが自験例のデータを提示しながら自論を強調しており,症例選択なども微妙に異なり,その結果,討論が噛みあわない部分が少なからずあった.特に国際的なdiscussionになると言葉の壁もあり十分な意見交換ができず,消化不良の感が否めない.今回,比較的分野の限られた上位頚椎に絞って,この分野の経験が豊かであるエキスパートに参加をお願いした.しかも座長が提示した症例のみに対する意見を問うこととした.本来は世界の第1人者であるAlan Crockard(University College London)の参加の快諾を得ていたのであるが,直前になり英国の公的に重要な立場である人物の海外出張に関する制限が厳しくなり,急遽不参加となってしまったことは誠に残念であり,Crockard自身からも会員に対して遺憾の意を示すメッセージが寄せられた.
さてシンポジウムはdebate形式とし,座長の伊藤がこれまで治療に頭を悩ました3例について各シンポジストに病歴,画像などの情報をinternetで送信しておいた.会員にも主要なデータを学会抄録誌(P221-224)に記載した.すなわち全員がデータを共有したうえで,一同に会して病態,治療方針,具体的な術式とその時期,術後管理などを共同座長の浅野とともにdiscussionするものである.いわばinternational clinical conferenceである.シンポジストは直前に約1時間の事前打合せを行い,あとは“出たとこ勝負”である.また各シンポジストには参考症例があれば示すように依頼しておいた.
この誌上シンポジウムでは会場にて使用したスライド写真と実際の討論を2名の座長でまとめた.
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