特集 妊婦・褥婦が外来に来たらUpdate—症状対応からワクチン・プラネタリーヘルスまで
【各論】
❻ 妊婦・褥婦によくみられる症状・徴候
伊達岡 要
1,2
1恵寿総合病院 総合診療科
2恵寿ローレルクリニック
キーワード:
墜落産
,
妊娠中の甲状腺疾患
,
妊娠高血圧症状群
,
妊娠中の肋骨骨折
,
産褥期の不正出血
Keyword:
墜落産
,
妊娠中の甲状腺疾患
,
妊娠高血圧症状群
,
妊娠中の肋骨骨折
,
産褥期の不正出血
pp.1405-1408
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429205108
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CASE
産褥期に多発肺転移で判明した子宮体がん
患者:20代、女性。
月経歴:初経12歳。月経周期30日。
現病歴:第1子出産後、産褥3カ月より下痢、持続する微熱と咳を主訴に内科を受診。胸部X線上、両肺野に多発小結節陰影を認め(図1)、当初は粟粒結核が疑われて高次医療機関の内科で精査された。胸腹部CT検査で多発肺転移腫瘍と子宮腫大を認めて産婦人科へ紹介となり、精査の結果、低分化型類内膜腺癌stage Ⅳb(T2NXM1)と診断された(図2)。外来化学療法を9コース受けて、いったんは肺転移像は縮小したものの、その後脳転移をきたし永眠された。
本CASEは若年であることに加え、産婦人科領域内で「産褥3カ月以内に子宮体がんはない」が定説とされていたことを覆す、極めて稀な症例であった。内科受診時に伝えられていなかったこととして、産後2カ月経過の時点で不正出血が持続していたことが挙げられる。悪露は通常、産後1カ月で終了する。
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