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Case
患者:80歳、男性。妻と2人暮らし。
既往歴:不明
現病歴:数カ月前から倦怠感・食思不振などがあり、1週間前からは寝たきりになっていた。見かねた妻が受診を勧めるも頑なに拒否していたという。
某日22時に妻が様子を見た時には呼吸音が聞こえていた。しかし翌朝10時頃、妻がおむつを替えに行くと呼吸が止まっており、慌てて救急隊を要請した。10時7分に119番通報、18分に救急隊が到着し心肺停止を確認、35分に当院へ搬送され心肺蘇生処置を行った。アドレナリンを計5アンプル投与したが反応はなく、11時14分に死亡確認とした。
当院の受診歴はなく、来院時心肺停止であったため、事件性は否定できないと判断し、警察に異状死の届出を行った。警察官が来院し、事情聴取に応じた。心肺蘇生処置を行いながら鼠径部から採取した血液検査結果があったので警察に渡したところ、「血液検査からわかることはありますか?」と聞かれたが、異常値だらけであり「亡くなった方の血液の検査は参考にならないのでわかりません」と返答した。捜査が済んだ警察官はご遺体を引き取っていったが、死因はわからずじまいであった。
血液検査:pH 6.7、PaO2 32.8mmHg、PaCO2 80.3mmHg、FCOHb 1.5%、WBC 12,600/μL、Hb 6.4g/dL、Plt 80.7×104/μL。AST 1,028IU/L、ALT 806IU/L、T-Bil 1.0mg/dL、Alb 2.8g/dL、CK 27,660IU/L、Cr 6.86mg/dL、BUN 92.2mg/dL、CRP 4.50mg/dL、Glu 35mg/dL、HbA1c 6.2%、Na 153mEq/L、K >10.0mEq/L、Cl 110mEq/L。
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