特集 海の外へ渡る航行者を診る—アウトバウンドにまつわるetc.
【渡航医学トピックス】
❹新興・再興感染症—病歴聴取がカギ! 医療機関での適切な感染対策に留意しよう
永瀬 裕一朗
1,2,3,4
,
石金 正裕
1,2,3,4
1Disease Control and Prevention Center, National Center for Global Health and Medicine
2WHO Collaborating Centre for Prevention, Preparedness and Response to Emerging Infectious Diseases, National Center for Global Health and Medicine
3WHO Collaborating Center for Prevention, Preparedness and Response to Antimicrobial Resistance, National Center for Global Health and Medicine
4国立国際医療研究センター 国際感染症センター
キーワード:
重症熱性血小板減少症候群
,
SFTS
,
麻疹
,
アウトブレイク
,
感染対策
Keyword:
重症熱性血小板減少症候群
,
SFTS
,
麻疹
,
アウトブレイク
,
感染対策
pp.1456-1458
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204583
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全米医学アカデミー(National Academy of Medicine:NAM)によると、新興感染症とは、これまで知られていなかったか、既知ではあったが20年間で発生率や地理的範囲が急速に増加しており、コントロールできていない感染症と定義されている1)。具体的には、エボラ出血熱やマールブルグ病などのウイルス性出血熱、後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome : AIDS)や新型コロナウイルス感染症などが含まれる。また再興感染症については、公衆衛生対策の変化や病原体の変異などに伴って、かつては抑制されていたものの再び流行してしまった感染症とされ、結核やマラリアなどが挙げられる。
本稿では、日本で経験する可能性が高い疾患として、新興感染症では重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome : SFTS)を、再興感染症では麻疹を例に挙げて解説する。
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