特集 新しい時代の小児感染症
新興・再興感染症
新興・再興感染症への対応
加來 浩器
1
KAKU Koki
1
1防衛医科大学校防衛医学研究センター広域感染症疫学・制御研究部門
pp.695-699
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000879
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はじめに
世界保健機関(World Health Organization:WHO)は,2004年に出現した重症急性呼吸器症候群(SARS)を機に,報告対象疾患の見直しや国際的な協力体制の議論などを加速化され,2005年には国際保健規則(International Health Regulation:IHR)が改正となり,2007年までに加盟国は体制を整備することになった。それから10年後にあたる2014年に西アフリカ諸国でエボラウイルス病(EVD)がアウトブレイクし,その教訓から2015年にはワクチンや治療医薬品の研究開発についての方向性が検討され,現在にいたっている。そして,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)出現から1年半後の2021年6月に,英国で開催されたG7サミットにおいて「100日ミッション」が提案されるなどと進展している。国内においては,人材の育成と確保,国産ワクチン開発・製造の実現への取り組み,感染症危機管理能力の強化のための組織改編などが進められている。
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