特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門
【スペシャルアーティクル】
神経発達症(発達障害)患者の増加に伴う臨床への影響と「ニューロダイバーシティ」—米国の児童精神科医療に携わる立場から
廣田 智也
1
1カリフォルニア大学 サンフランシスコ校 精神科・児童思春期精神医学部門
キーワード:
神経発達症
,
発達障害
,
ニューロダイバーシティ
,
障害の医学モデルと社会モデル
,
合併症
,
身体疾患の合併症
,
diagnostic overshadowing
Keyword:
神経発達症
,
発達障害
,
ニューロダイバーシティ
,
障害の医学モデルと社会モデル
,
合併症
,
身体疾患の合併症
,
diagnostic overshadowing
pp.1083-1087
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204453
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本稿では、読者が成人を中心に診療する総合診療医や他科の医師または研修医であることを鑑み、発達障害すなわち「神経発達症(neurodevelopmental disorder:NDD)」の有病率の増加と成人を診る臨床家への影響、NDDを専門にしない臨床家が知っておきたいこと、そして欧米において診療内外でNDDの臨床や研究にも大きく影響を与えてきている「ニューロダイバーシティ(神経多様性)」の概念について中心に述べたい。また、筆者の背景(日米両国での臨床経験)を最大限に活かし、米国の臨床現場や社会活動の現状、そして最新のエビデンスを可能なかぎり取り入れ、教育的な内容になるよう心がけた。
なお、神経発達症の定義や各疾患の診断・治療についての詳細は割愛し、本特集の他稿または他書に委ねた。「自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)」に関しては、手前味噌ではあるが、最新のエビデンスを取り入れた総説1)を2023年1月に米国医師会誌(JAMA)本誌に投稿したため、そちらを参照されたい。
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