特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門
【各論Ⅱ】「こんな時どうすればいい?」Q&A—日常診療+αの場面より
Q5「わが子が発達障害ではないか」と思ったら?
三木 崇弘
1
1社会医療法人恵風会 高岡病院
キーワード:
発達障害
,
神経発達症
,
相談機関
,
親としての立ち位置
,
バイアスの自覚
,
長期目線の子育て
Keyword:
発達障害
,
神経発達症
,
相談機関
,
親としての立ち位置
,
バイアスの自覚
,
長期目線の子育て
pp.1080-1082
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204452
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Case
患者:6歳、男児。小学1年の冬休み。
家族歴:父方の大叔父;うつ病。父;外科系医師、母;大学教員(看護系)。
現病歴:38週6日に2,765 gで出生。明らかな発達の遅れや乳幼児健診での指摘はなかったが、幼少期より睡眠の不安定さやかんしゃくなどがみられることがしばしばあった。3歳から保育園に入園し、明らかな問題は起こさなかったが、集団活動には興味を示さず1人で遊ぶことが多かった。また、年齢不相応な不器用さや理解の浅さが気になった。小学校に進学後は、集団活動の苦手さやこだわりが目立つようになり、1学期の後半頃からクラス活動に参加できなかったり、学校で暴言・暴力が出現したりするようになった。母親が問題意識をもち担任やスクールカウンセラーに相談し、そのなかで児童精神科の受診も検討するようになった。しかし父親は、「俺も小さい頃はそんなだったから問題ない」「友人の小児科医に訊いたら、予約をとるのが大変だと言っていたから、そんなに急がなくていい」ととり合わなかった。また母方の祖父母も、「孫を障害者にしようとしている」と否定的な態度であった。
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