特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門
【各論Ⅰ】発達障害を理解する—Caseに学ぶ典型例と対処法
❻発達障害“グレーゾーン”
岡田 尊司
1
1岡田クリニック
キーワード:
発達障害
,
神経発達症
,
境界域
,
グレーゾーン
,
社会的コミュニケーションの障害
,
愛着アプローチ
Keyword:
発達障害
,
神経発達症
,
境界域
,
グレーゾーン
,
社会的コミュニケーションの障害
,
愛着アプローチ
pp.1064-1067
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204447
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Case
患者:(初診時)15歳、女児。中学3年生。
現病歴:学校を休みがちで、下痢・頭痛など身体症状も多いことから、いくつかの医療機関を経て当クリニックを受診した。親は「発達障害もあるのではないか」と心配していた。
3歳児健診などで指摘を受けたことはなかったが、幼い頃から緊張が強く、過敏な傾向やかんしゃくがみられた。特定の友人はいたが、1人でお絵描きしたりすることを好んだ。音に敏感で、学年やクラスが変わるたびに慣れるのに苦労した。
診察時、表情はやや乏しいが、目は合い、こちらの問いかけにはうなずきながらきちんと答える。騒々しい男子が苦手で、教室に入るのがだんだん苦痛になったという。付き添いの父親の話では、普段はおとなしいが、母親に注意されたり口出しされたりすると、別人のように激しくキレて、母親も困っているという。発達検査では、目立った群指数間の乖離は認められなかった。
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