【臨床小説—第二部】後悔しない医者|今と未来をつなぐもの・第35話【最終回】
未来へ向かう医者
國松 淳和
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1医療法人社団永生会 南多摩病院 総合内科・膠原病内科
pp.371-379
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204228
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前回までのあらすじ 今月のナゾ
オンラインカンファレンスにて、ついに東京の黒野鈴と五島の向後翠が、場を隔てて再会した。向後の育ての父・向後英の旧知であった山梨の白川も参加しており、2人の再会を画面越しに見届けた。その再会は実にあっさりしたものだった。五島の右井の相談症例(69歳・男性、全身浮腫に加え顕著な血小板減少)を、東京の栗塚が鮮やかに「TAFRO症候群」と診立てると、黒野は「たこつぼ心筋症」の合併を言い当てた。なぜ黒野は、それを見抜くことができたのか? その疑問は解消しないまま向後チームは治療を急ぎ、カンファレンスは呆気なく幕切れたのだが…。
ついに最終回を迎えた。黒野と向後は、実は双子の兄弟で幼い頃に生き別れるも、示し合わせたように2人とも医者になっていた。1人は聴覚に、1人は視覚に長け、臨床医として超能力をもっている。その力は荒唐無稽なものなのだろうか? 臨床医の「能力」とは?
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