- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
CASE
患者:52歳、女性。
主訴:心窩部痛、発熱、右腰痛。
現病歴:当院入院前日の午前3時頃に心窩部から下腹部中央にかけての腹痛が出現し、目が覚めた。腹痛は絞られるような波のある痛みで、嘔気・嘔吐はない。のたうちまわるほど痛みが強くて冷や汗も出た。我慢していたら少し眠れたが、再度目を覚ました時にも腹痛があったため、同日朝にかかりつけの近医を受診した。診察では当初、腹部全体に圧痛があったが、反跳痛はなく、検査などが終わる頃には圧痛は心窩部に限局していた。採血では白血球11,100/μL以外に肝腎機能に異常はなく、血清アミラーゼやCRPの上昇はなかった。エソメプラゾール20mgが処方され、翌日に当院を受診するよう紹介状を渡され帰宅となった。帰宅後に悪寒と38.5℃の発熱があり、アセトアミノフェンを内服した。食事は摂らずに飲水のみで我慢していたが、飲水しても腹痛の増悪はなかった。右の腰痛もいつの間にか出現しており、発熱も腹痛も持続するため、当院消化器内科を紹介受診した。
頭痛や呼吸器症状、下痢、黒色便、関節痛、排尿時痛、頻尿、残尿感、めまい、しびれ、脱力はない。消化器内科で評価後、造影CTで尿路感染症が疑われ、同日当科に入院依頼となった。
既往歴・内服薬:本態性高血圧症、不安神経症で近医通院中。定期内服はアムロジピン2.5mg/日のみ。毎年健診を受けている。2カ月前に下部消化管内視鏡検査、1カ月前に上部消化管内視鏡検査も受けており、十二指腸下降部の憩室の指摘のみだった。手術歴なし。市販薬やサプリメントなどの内服なし。
家族歴:悪性腫瘍や心血管系疾患を含め、特記事項なし。
社会歴:飲酒歴:ビール350mLを2本/日。喫煙歴:10本/日を30年間。アレルギー:薬剤・食物共になし。
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.