被災地からのレポート 東日本大震災 その時,被災地にある岩手県立大船渡病院産婦人科では・3【最終回】
未来に向かって―妊婦見守りネットワークと震災に強いネットワークの構築
小笠原 敏浩
1
1岩手県立大船渡病院
pp.820-824
発行日 2011年9月25日
Published Date 2011/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101990
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今回の大震災は東北地方での被害が大きかったが,岩手県および宮城県での津波被害と,福島県での原子力発電にかかわる被害はまったく異なるものとなった。また,県庁所在地である仙台市や県第2の都市である石巻市が津波の被害にあった宮城県と,産婦人科施設が少ない沿岸部が大きな津波被害にあった岩手県では状況がまったく異なることもわかってきた。
大震災下での産婦人科スタッフの活動記録も,今月号をもって幕を閉じたいと思う。今月号では,県立大船渡病院から産婦人科医師を1名派遣して院内助産システムを支えている,釜石市にある県立釜石病院の震災後の状況を解説する。また,通信系がダウンして電話もつながらず,情報伝達手段を失った時に威力を発揮した県立大船渡病院産婦人科「妊婦ホットライン」について述べ,最後に震災に強い周産期ネットワークシステムの構築について解説したいと思っている。
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