特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで
【Ⅲ章】知っておきたい! NEWトピックス
❹糖尿病と「認知症」
荒木 厚
1
1東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌内科
キーワード:
認知症
,
フレイル
,
治療の単純化
Keyword:
認知症
,
フレイル
,
治療の単純化
pp.335-338
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204217
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Case
インスリン治療の単純化を行った一例
患者:82歳、女性。娘夫婦と同居。
現病歴:50歳の時に2型糖尿病を指摘され、62歳から強化インスリン療法で治療し、HbA1c 8.0%前後で経過していた。81歳から物忘れがあり、6カ月前から買い物ができなくなった。インスリン注射を忘れることも多くなり、HbA1c 8.5%となった。DASC-8(認知・生活機能質問票)は16点でカテゴリーⅡ、MMSE(ミニメンタルステート検査)は22点で軽度認知症と診断し、血糖コントロール目標はHbA1c<8.0%、目標下限値7.0%とした。血糖コントロール目的で2週間入院し、インスリン分泌は保たれているため、週1回のGLP-1受容体作動薬の注射とグリクラジド20mg、メトホルミン500mgの併用に変更し、治療の単純化を行った。要介護1となり、週2回のデイケアを開始し、週1回の訪問看護師による注射と服薬確認を行い、家族へ服薬サポートを依頼した。
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