糖尿病治療のパラダイムシフト 糖尿病合併症に関する新たな展開
糖尿病合併症としての認知症
荒木 厚
1
1東京都健康長寿医療センター 糖尿病代謝内分泌内科
キーワード:
Alzheimer病
,
Insulin
,
インスリン抵抗性
,
危険因子
,
血糖降下剤
,
高血糖症
,
疾患モデル(動物)
,
認知症
,
低血糖症
,
糖尿病
,
動脈硬化症
,
メタボリックシンドローム
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Arteriosclerosis
,
Dementia
,
Disease Models, Animal
,
Diabetes Mellitus
,
Hyperglycemia
,
Insulin
,
Hypoglycemia
,
Hypoglycemic Agents
,
Insulin Resistance
,
Risk Factors
,
Metabolic Syndrome
pp.73-76
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014057540
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糖尿病患者は糖尿病でない人と比べて,認知機能低下をきたしやすく,Alzheimer病を1.5倍,血管性認知症を2.5倍起こしやすい.糖尿病発症前から糖尿病合併症が起こる段階で,インスリン抵抗性,血糖コントロールの悪化,および脳血管障害は認知機能低下を加速する.短期または長期の血糖コントロールにより,糖尿病患者の認知機能低下が抑制される.また,重症低血糖は1回でも認知症の危険因子である.GLP-1受容体作動薬,DPP-4阻害薬,チアゾリジン薬は認知症のモデル動物における認知機能低下を抑制する.認知症の進行予防のためには,適切な血糖コントロール,動脈硬化危険因子の治療,インスリン抵抗性の改善などが重要であろう.
©Nankodo Co., Ltd., 2014