特集 ここまで進化した補聴器と人工内耳診療
難聴対策の現状
難聴・補聴器と認知症
杉浦 彩子
1,2
,
内田 育恵
2,3
Saiko Sugiura
1,2
,
Yasue Uchida
2,3
1豊田浄水こころのクリニック
2国立長寿医療研究センター耳鼻咽喉科
3愛知医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
難聴
,
認知症
,
加齢性難聴
,
聴覚リハビリテーション
,
フレイル
Keyword:
難聴
,
認知症
,
加齢性難聴
,
聴覚リハビリテーション
,
フレイル
pp.131-134
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000033
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はじめに
難聴と認知症との関係は双方向的であり,遺伝的背景や生活習慣病などの共通因子を介した関係,難聴による音声情報の入力低下や認知負荷が認知機能低下を促すという関係,そして認知機能低下が中枢性聴覚障害を起こすという関係などが挙げられる。そのため,難聴があると認知症のリスクは有意に高くなるものの,補聴器や人工内耳による聴覚補償は認知機能に対して部分的な効果に留まると考えられ,メタアナリシスではその有意性は示されていない1)。
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