特集 かかりつけ医からみた糖尿病診療
並存疾患を有する糖尿病患者の診療 糖尿病と認知症
梅垣 宏行
1
1名古屋大学 大学院医学系研究科地域在宅医療学・老年科学
キーワード:
運動療法
,
食事療法
,
認知症
,
認知障害
,
共存疾患
,
糖尿病性合併症
,
認知機能低下
,
フレイル
,
血糖管理
Keyword:
Diet Therapy
,
Frailty
,
Cognition Disorders
,
Dementia
,
Comorbidity
,
Glycemic Control
,
Exercise Therapy
,
Cognitive Dysfunction
,
Diabetes Complications
pp.351-354
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2022138880
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<Headline>1 糖尿病は、認知症の発症危険因子であり、血管性認知症のみでなく、Alzheimer型認知症のリスクであることが報告されている。2 糖尿病がAlzheimer型認知症を増加させるには、多くの機序が複雑に関連していると考えられ、いまだ明らかになっていない点も多い。3 脳のインスリン抵抗性の増加は、糖尿病による認知機能低下・認知症発症のリスク増加に関与している可能性があり、詳細の解明や治療への応用が期待されている。4 糖尿病の血糖管理は、認知機能低下や認知症発症の予防に有用であることが期待されるが、その効果を十分に得るためには、ある程度の期間が必要であると考えられ、糖尿病の発症早期からの管理が重要である。5 認知症を合併した糖尿病患者の治療にあたっては、低血糖を予防しながら慎重に管理をしていくことが望まれ、介護者などの積極的なかかわりが望ましい。
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