Editorial
未来は僕らの手の中
尾藤 誠司
1
1国立病院機構 東京医療センター 内科
pp.291
発行日 2022年3月15日
Published Date 2022/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203629
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私は医師になって32年になります。初期臨床研修(当時は任意制度でした)を修了後すぐに「総合診療」の道に入ったので、総合診療医になって30年です。総合診療は、30年やり続けても、とてもワクワクすることが多い診療領域です。そう自信をもって言うことができるのですが、「なぜワクワクが尽きないのか」ということはずっと言語化できずにいました。幅広い診療領域をカバーするから? いえ、違います。エビデンスに基づく診療をするから? いえ、違います。人の心理・社会的側面に配慮した診療をするから? うーん、それもちょっと違う感じ…。
いったい何が楽しいんだろうねと思いながら臨床医を続けてきた時、「AI時代の医療」というアジェンダに遭遇したのでした。そして、「AI時代になったら、医者の仕事がなくなるんじゃあないか」みたいな危惧感に対して、私は「んなわけないじゃん。だって…」と思っていたのです。この時、この「だって…」にあたるところにこそ、“ワクワク”の正体があるのではないか、と気づいたのです。
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