私のインターン生活
医学の未来像は私たちの手で
本原 征一郎
1
1京大付属病院
pp.1748
発行日 1966年12月10日
Published Date 1966/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201595
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私たちの求めるもの
インターン制度。数ある制度のなかでも,制定時の理想と現実とのへだたりがもつとも大きいといわれる制度。条文を制定すれば,予算のうらづけがなくても医学教育ができると考えている為政者に,われわれは訴えつづけねばならない。「インターン生は霞を食べて生きてはいけない。経済の保障なくして勉強はできない,よき医師は育たない」と。
この制度の不備な点については,すでに制定時から幾度となく指摘され,改善が叫ばれてきました。人により多少のニュアンスの違いはあれ,要するに1)経済的保障,2)身分の確立,3)教育の保障の3点が,われわれインターン生の要求の根本です。この要求の実現のために,数年来,年々激しさを加えているインターン闘争が,どのように展開され,いかなる方向に向かつているか,大学院や医局の問題といかに結びつくかということに関しては,すでに本誌9月号で,阪大の佐川君が述べておられるので,ここではすべて省略いたします。ただ,とくに年配の先生方の誤解を解くために一言ことわつておきたいのは,私たちがインターン制度廃止という場合,それは,ただなんでもいいからなくしてしまえというのではなく,6年間の学生時代から入局までの長期間にわたるむだのない新しい医学教育制度を作りなおすことを前提としているのだということです。
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