特集 実地医家が楽しく学ぶ 「熱」「炎症」、そして「免疫」—街場の免疫学・炎症学
【Ⅰ章:個別の病態で切る!】エキスパートが織りなす怒涛の縦糸—個別から“理屈”をつかむ
❷新型コロナウイルス感染症(COVID-19)—“炎症”と“凝固障害”、病態を踏まえたマネジメント
福島 一彰
1
1がん・感染症センター 都立駒込病院 感染症科
キーワード:
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
SARS-CoV-2
,
レムデシビル
,
中和抗体薬
,
ステロイド
Keyword:
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
SARS-CoV-2
,
レムデシビル
,
中和抗体薬
,
ステロイド
pp.28-35
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203544
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Case
患者:35歳、男性
基礎疾患:2型糖尿病(10年前に指摘されたが通院自己中断)、肥満(BMI 39.8)
現病歴:職場でCOVID-19患者の発生があった。入院6日前に40℃台の発熱・頭痛・咳嗽が出現した。入院4日前に近医で施行された鼻咽頭ぬぐい液の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査が陽性となった。自宅療養を行っていたが、入院当日に酸素飽和度(SpO2)の低下を認めたため救急搬送された。
入院時の胸部単純X線検査で、両側に広範囲にびまん性すりガラス状陰影を認めた(図1)。来院時リザーバーマスク10L酸素投与でSpO2 80%後半であったため、ハイフローネーザルカニューラへ変更した。酸素流量50L/分・酸素濃度70%でSpO2 90%後半まで回復したものの、さらに酸素需要が増加し、入院翌日に気管挿管・人工呼吸器管理を開始した。来院時に高血糖があり、インスリン持続静注療法を併用した。
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