特集 ライフステージでみる女性診療at a glance!—よくあるプロブレムを網羅しピンポイントで答えます。
【Ⅱ章】ライフステージ別 よくあるプロブレム
▼思春期・青年期(10〜20代)
コラム|思春期の発達と危機的状況
服部 祥子
1
1大阪人間科学大学
pp.302-303
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203039
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Q1 「思春期」の発達課題と危機的状況とは?
子ども期から大人期へ移行する中間の時間を「思春期」(puberty & adolescence)という。この時期の発達課題は、身体的には二次性徴の発現に始まる性の成熟を受け入れ、心理・社会的には自我同一性(アイデンティティ)を獲得して、独立した一個人に成長することである。しかも、性の成熟は「親離れ」を意味し、生まれて初めてただ1人でこの課題に向き合わねばならず、孤独の中の大きな試練である。
思春期の心理的特性としては、自己中心性、不安、過敏、感情の揺れとアンビバレンス、性急さなどがあげられ、誰にとっても思春期は精神的に不安定で危機的状況に陥ることも少なくない。思春期の精神障害には、「統合失調症」「気分障害」「不安障害」「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」「身体表現性障害」「摂食障害(p.299)」「性同一性障害」「パーソナリティ障害」などがある。
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