特集 肺炎診療のピットフォール—COVID-19から肺炎ミミックまで
【感染性肺炎】
❼院内感染による肺炎
本田 仁
1
1東京都立多摩総合医療センター 感染症科
キーワード:
人工呼吸器関連肺炎
,
院内肺炎
,
COVID-19
,
侵襲性肺アスペルギルス症
Keyword:
人工呼吸器関連肺炎
,
院内肺炎
,
COVID-19
,
侵襲性肺アスペルギルス症
pp.184-187
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202993
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ピットフォールCase
患者:48歳、男性。
現病歴:糖尿病、重喫煙歴の患者が、呼吸苦を主訴に来院した。新型コロナウイルス感染症の流行期の症例であり、速やかにSARS-CoV-2のPCR検査が実施され、陽性であった。呼吸不全は急激に進行し、挿管管理となった。中心静脈カテーテル、尿道カテーテルも挿入されている。呼吸器管理は長くなり、ICU入室後16日目に発熱をきたした。血圧低下はないものの(108/86mmHg)、頻脈102回/分となり、呼吸数は人工呼吸器に完全に乗っており、16回/分であった。
身体所見:(右の内頸静脈に中心静脈カテーテル、左橈骨動脈に動脈カテーテル、尿道カテーテルが留置されている)
心音:頻脈はあるものの、心音は整、心雑音やⅢ音の聴取は聞かれない。
肺:右の下肺に軽度のcoarse crackleを聴取する。気管挿管されている。
腹部:平坦 軟であり、腹部蠕動音は聴取する。
検査所見:WBC 9,800/uL、Hb 11.2g/dL、Plt 125×103/uL、AST 46IU/L、ALT 34IU/L、BUN 28.2mg/dL、Cr 0.94mg/dL、Na 134mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 102mEq/L、ABG PH 7.36、PaO2 88mmHg、PaCO2 38mmHg、HCO3 25mmol/L(FiO2 50%)。
喀痰グラム染色:グラム陰性桿菌(2+)、WBC(2+)
胸部画像診断:右肺に軽度の浸潤影を認めた。
酸素需要量もFiO2 40%から50%に上昇。
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