特集 治りにくい肺炎に出会ったら
[Chapter 2] 感染性肺炎ではあるが治りにくい理由があった!
肺結核・気管支結核
浅見 貴弘
1
1佐野厚生農業協同組合連合会佐野厚生総合病院 内科
キーワード:
肺結核
,
結核性肺炎
,
気管支結核
Keyword:
肺結核
,
結核性肺炎
,
気管支結核
pp.215-221
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_215
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
▪日本の結核罹患率は近年減少傾向であり,2022年は人口10万対8.2となった.
▪患者は外国出生者の若年者と高齢者に多く,病歴が十分とれず,非典型的な経過,画像所見を呈し,細菌性肺炎や誤嚥性肺炎のような病像で,結核の診断が難しいこともある.
▪とくに高齢者の肺炎の診断を考える場合には,結核も鑑別診断として考え,喀痰の抗酸菌塗抹・培養検査を積極的に検討する.経過で治療効果が不十分と考えた場合には診断の見直しが重要であり,肺結核の可能性も再度考える.
▪喀痰の塗抹や結核菌の核酸増幅法検査が陰性,空洞や粒状影がない,インターフェロンγ遊離試験が陰性,それぞれだけでは活動性肺結核の否定はできないこと,キノロンやステロイドが臨床経過を修飾することを念頭に置いて診療する必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2024