特集 診断に役立つ! 教育で使える! フィジカル・エポニム!—身体所見に名を残すレジェンドたちの技と思考
—Gowers徴候—奇妙な動きにも意味がある—「建築学」にも通じる奥の深い身体所見
田中 太平
1
1名古屋第二赤十字病院 第一新生児科/総合周産期母子医療副センター
キーワード:
Gowers徴候
,
Duchenne型筋ジストロフィー
,
登はん性起立
,
ビルトラルセン
,
トラス構造
Keyword:
Gowers徴候
,
Duchenne型筋ジストロフィー
,
登はん性起立
,
ビルトラルセン
,
トラス構造
pp.1335-1339
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202866
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William Richard Gowers(1845〜1915)は、英国の神経内科医である(表11〜4))。臨床神経学の祖とも言える人物で、神経学のバイブルとされる『A Manual of Diseases of the Nervous System』(2巻)2,4)を記した。仮性肥大型筋麻痺(Duchenne型筋ジストロフィー:DMD)についてロンドンのUniversity Collegeで行った講義が、1879年にLancetに4回に渡って連載され5)、その後、症例を追加して『Pseudo-Hypertrophic Muscular Paralysis;A Clinical Lecture』3)も刊行された。このなかではさまざまな重症度のDMDについて詳述されているが、DMDの児が立ち上がるまでの奇異な運動を疾患特異的として強調したため、「Gowers徴候」と呼ばれるようになった。
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