特集 その倦怠感、単なる「疲れ」じゃないですよ!—筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群とミミック
【Ⅰ章】
ME/CFSを極める!—“病像”をつかむ
コラム❹小児ME/CFS
田島 世貴
1
1国立障害者リハビリテーションセンター病院 小児科
キーワード:
睡眠不足
,
睡眠覚醒リズムの改善
,
発達障害
Keyword:
睡眠不足
,
睡眠覚醒リズムの改善
,
発達障害
pp.835-838
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202692
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
睡眠不足を契機に小児ME/CFSをきたした一例
患者:小学6年生、女児
家族歴:母親が中学生の頃、起立性調節障害
現病歴:幼少期には、生育歴・病歴ともに特記事項なし。小学4年生から進学塾に通い、次第に入眠が遅くなっていた。5年生からは次第に起床困難感が強くなっていたが、起床できていたため、特に何もせず経過をみられていた。6年生からは週に5日間塾に通っており、うち4日間は平日のため帰宅が22時、入眠が0時の生活が続いていた。
7月頃から、起床直後〜日中にわたる激しい頭痛が出現。8月頃から、眠気がこないために2〜3時にようやく入眠、12時前後に目が覚めるようになり、登校困難となった。日中のたちくらみや倦怠感、起床後の腹痛なども頻繁に生じるようになった。
治療:睡眠状態の改善のために「睡眠衛生指導」と、「メラトニン」「選択的α2アドレナリン受容体作動薬」の内服治療を行い、他者の視線が怖いために学校復帰が難しいことに対して「抗うつ薬」での内服治療を行ったところ、ゆっくりではあったが症状が改善し、高校は通信制高校を卒業。大学は通常の進学が可能なまでに回復した。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.