特集 その倦怠感、単なる「疲れ」じゃないですよ!—筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群とミミック
【Ⅰ章】
ME/CFSを極める!—“病像”をつかむ
コラム❸慢性疲労患者に対する心理的アプローチと支援
吉原 一文
1
1九州大学大学院医学研究院 心身医学(心療内科)
キーワード:
支持的アプローチ
,
リラクセーション法
,
過剰適応
,
交流分析
,
アサーショントレーニング
,
自己主張訓練
,
認知行動療法
Keyword:
支持的アプローチ
,
リラクセーション法
,
過剰適応
,
交流分析
,
アサーショントレーニング
,
自己主張訓練
,
認知行動療法
pp.830-834
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202691
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Case
心理的アプローチにより慢性疲労が改善した一例
患者:40代、女性
現病歴:X-10年頃から疲労感が出現し、X-5年頃より疲労感が持続するようになった。X年に疲労感が増悪したため、4つの医療機関を受診したが、異常所見は認められなかった。心理的要因の関与が疑われ、同年に当科を初診した。
治療経過:特発性慢性疲労と診断し、「支持的アプローチ(受容・共感、傾聴)」を用いて信頼関係を築きながら、初診の翌月より段階的運動療法を開始した。その後、過剰適応的な行動パターンが明らかになり、ストレスにより疲労が増悪していることを自覚するようになった。X+2年に「アサーショントレーニング(自己主張訓練)」と「認知行動療法」を開始した。X+5年には夫と一緒にカウンセリングを行い、「リラクセーション法(自律訓練法)」を開始した。X+7年には疲労感は改善し、経過良好のため終診となった。
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