Editorial
医療介入のルーピング効果に気をつけよう
徳田 安春
1
1臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄
pp.137
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202474
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
テクノロジーの発達により、さまざまな病気や病態に対して、新開発の手術や手技による治療介入が可能になった。新しい術式、カテーテル、インターベンション、内視鏡、デバイス、電子機器などだ。これらの新規介入の医療価値を高めるためには、原則として本人の同意を得たうえでの、医学的に適応のある患者さんに対して、エビデンスに基づく介入を“適切なタイミングで”行うことが大切である。
しかし、新規の医療介入に「エビデンスはある」、とされたものでも、時を経て否定されていく可能性はある。たとえば、統合失調症患者さんに対するロボトミー手術は、不十分なエビデンスで行われ、患者さんに害等を与えた介入であったことがわかり、後にその手術を広めた医師は、世界の人々から非難されることになった。歴史に負の名を残したのだ。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.