特集 困っている“あなた”に届く 認知症診療
【認知症診療case by case】
[ミニコラム(患者体験)]若年性Alzheimer型認知症と診断されて
丹野 智文
pp.1474-1476
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202397
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6年前、私が39歳の時に大学病院で何週間も検査入院をして、「若年性Alzheimer型認知症」と診断されました。その後、病院では「進行を遅らせるために」と薬を出してくれましたが、その他の情報はありませんでした。この先どのように生活していったらよいのかわからなかったので、国からの支援がないかと思い区役所へ行ってみましたが、「40歳以下の場合、介護保険が使えないので何もありません」と言われ役所から帰ってきました。
その後も地域包括支援センターなどで話を聞いても、言われるのは介護保険の話だけ。冊子を渡され、「このような支援が受けられます」と説明されても、私の場合まだまだ仕事もできるし、「私に必要な情報は全然ないのだ」と感じ、気持ちが落ち込んでしまいました。私が診断された後、私は「診断前の今までの生活を、どのようにしたら維持できるか」を知りたかっただけなのです。でも与えられる情報は重度になってからのものばかりで、介護保険を勧められることで逆に不安が増してくる。当時介護保険がどのようなものかわからなかったので、“介護”という言葉を聞いただけで、「介護が常に必要な人になってしまう」「すぐに寝たきりになってしまうのでは」と考えてしまったからです。
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