特集 臨床写真図鑑 レアな疾患編—見逃したくない疾患のコモンな所見
レアな疾患のコモンな所見集
右手がうまく動かせなくなってきた。
能勢 裕久
1
1川内市医師会立市民病院 脳神経内科
pp.1333-1334
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202346
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CASE
患者:60歳台、男性
主訴:右手がうまく動かせなくなってきた。
現病歴:X年1月、右手の指がつる、うまく動かせないといった症状に気づいた。特にパソコンのマウスが動かしにくく、寒さでかじかんでいるからだと思っていた。
X+1年1月、A整形外科を受診し、頸椎MRI撮影したところ、軽度の「ヘルニア」で手術適応はないとされ、手のしびれに対してプレガバリンが処方されたが、あまり効果はなかった。Bクリニックより紹介されて、当院脳神経内科受診となる。
よく話を聞くと、体動時の息苦しさと著明な体重減少(ほぼ1年で24kg、82→58kg)を認めた。
既往歴:17歳;右自然気胸。55歳;大腸ポリープ(良性)、内視鏡的に切除。
嗜好歴:喫煙;20本/日×44年。飲酒;機会飲酒。
身体所見:図1のように、右手の母指球筋および小指球筋に萎縮を認め、よく見ると左手も母指球筋および小指球筋が明らかに萎縮していた。また、左右上肢の前腕や肘関節よりの上腕などに、線維束性収縮が出現していた(動画1)。
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