特集 臨床写真図鑑 レアな疾患編—見逃したくない疾患のコモンな所見
レアな疾患のコモンな所見集
まだ診断がつかない皮疹
副島 裕太郎
1
1横浜市立大学医学部附属病院 血液・リウマチ・感染症内科
pp.1335-1336
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202347
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
CASE
患者:40歳台、女性。著患の指摘なし。
現病歴:3カ月前から、38℃前後の発熱と両膝関節の腫脹・疼痛がみられた。前医で「不明熱」として種々の検査が施行されたが診断がつかず、当院紹介となった。当院で撮影したPET-CTで両腋窩・腹腔内リンパ節腫脹とFDG(フルオロデオキシグルコース)集積があり、腋窩リンパ節生検を施行したが、悪性リンパ腫を示唆する所見はみられなかった。その後、39℃台の発熱および発熱時のみ目立つ瘙痒感に乏しい顔面・四肢の紅斑が出現したため、精査加療目的で当院入院となった。海外渡航歴や植物・動物との接触歴なし。
身体所見:呼吸数20回/分、脈拍数91回/分、血圧103/77mmHg、体温38.4℃、SpO2 98%(室内気)。結膜充血なし。両後頸部・顎下・腋窩リンパ節腫脹あり・圧痛なし。肝脾を触知する。両膝関節腫脹・圧痛あり。四肢・体幹に淡い紅斑あり(図1)。
検査所見:血液;WBC 9,100/μL(Neut 82.0%、Eos 1.5%、Lym 11.0%)、Hb 9.6g/dL、Plt 20×104/μL、ESR 63mm/時、AST 31U/L、ALT 8U/L、LDH 500U/L、フェリチン7,248ng/mL、sIL-2R 2,371U/mL、ANA・RF陰性、血液培養2セット陰性、EBV・CMV既感染パターン、HIV抗体陰性。
CT;多発リンパ節腫脹(頸部・腋窩・傍大動脈・骨盤内)と脾腫あり。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.