特集 感染症外来診療「賢医の選択」—検査・経口薬・ワクチンをどう使えばいいんですか?
【感染症に対する経口薬のChoosing Wisely—適正使用のコツ】
フルオロキノロン
山本 舜悟
1
1京都大学医学部附属病院臨床研究教育・研修部
キーワード:
キノロン耐性大腸菌
,
「以前効いた」抗菌薬は、「今回は効かなくなっている」かもしれない
Keyword:
キノロン耐性大腸菌
,
「以前効いた」抗菌薬は、「今回は効かなくなっている」かもしれない
pp.508-510
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201456
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Pitfall Case
尿路感染症にはキノロンでしょ?
患者:6週間前に大腸菌による膀胱炎の既往がある(レボフロキサシンで治療)、39歳、女性。
現病歴:受診前日から排尿時痛と右腰背部痛があった。翌日になり、急に寒気があり身体が震えた後に、39℃の発熱が出てきた。A診療所を受診し、急性腎盂腎炎の診断でレボフロキサシンを処方された。2日経っても熱が下がらず、フラフラして歩けなくなったので救急搬送された。救急外来受診時、血圧80/50mmHg、脈拍数120回/分、体温38.5℃、呼吸数24回/分だった。膿尿があり、尿グラム染色ではグラム陰性桿菌が見えた。血液培養採取後にセフメタゾールで治療を開始した。造影CTでは右腎膿瘍を疑う所見が見られた。血液培養と、尿培養から、レボフロキサシンのみに耐性の大腸菌が検出された。
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