国試にたずねよ・7
診断だけでは“片手落ち”
山中 克郎
1
1諏訪中央病院総合内科
pp.977-979
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201028
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数年前の話になるが、私が医師国家試験問題の作成に携わっていた頃は、5月から9月にかけて毎月2〜3日間、試験委員のコアメンバー30名ほどが厚生労働省の会議室に集まり、問題の吟味を繰り返していた。試験問題を1問ずつ音読し、問題の妥当性についての検討を行うのである。
問題の漏洩を防ぐため、会議室の中では携帯電話やパソコンによるインターネット接続はできない。省庁の室温設定は28℃と決められているので、夏は非常に蒸し暑かった。汗を拭きうちわであおぎながらの長時間作業が、朝9時から夜8時まで続く。これほどの時間と労力を使って、毎年の国試はつくられているのである。
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