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CASE 7
症例:60歳代、男性。
主訴:右下肢の腫脹・発赤・疼痛。
生活歴:ADL自立で、ゴルフもできる。海外渡航歴、不特定多数との性交渉歴などなし。
既往歴:コントロール不良の気管支喘息、好酸球性中耳炎、Burger病、両下肢静脈血栓症などの既往あり。ここ1年以内の抗菌薬使用歴や入院歴はない。
薬剤歴:プレドニゾロン10mg/日、モンテルカスト10mg/日、テオフィリン400mg/日、カルボシステイン1,500mg/日、サルメテロール・フルチカゾン合剤500mg 2回/日吸入、エドキサバン60mg/日、アルファカルシドール0.5μg/日
現病歴:受診3週間前、ゴルフのラウンド中に他人が打ったボールが右膝にぶつかった。膝関節下部に出血と腫脹を伴ったが、痛みもそこまではなかったため、自己判断で洗浄のみ行っていた。発赤と腫脹は、3週間横ばいの状態だった。
受診2日前に同部位をドアでぶつけて再出血し、腫脹が増悪した。同日から右下肢全体に発赤・熱感・疼痛が増悪し、前日には悪寒戦慄もあったため当院救急外来を受診。採血をしたうえで、セファレキシン1,500mg/日内服を処方され、いったん帰宅した。翌日も悪寒戦慄があったため救急外来を再診し、入院対応となった。右下肢症状は、2日前と大きな変化なし。
身体所見:血圧106/60mmHg、脈拍数104回/分、呼吸数20回/分、体温38.0℃、GCS(Glasgow Coma Scale)E4V5M6。胸腹部に明らかな所見なし、呼吸音も正常。
右下肢は膝下から足背に至るまで腫脹・発赤・疼痛あり、右膝蓋部は膿汁と痂皮を伴うが症状の急な進展はない(図1)。
血液検査:WBC 10,800/μL、Hb 12.8g/dL、Plt 24×104/μL、Alb 3.3g/dL、肝逸脱酵素上昇なし、 BUN 11mg/dL、Cr 0.82mg/dL、Na 140mEq/L、K 3.69mEq/L、Cl 107mEq/L、CRP 7.08mg/dL
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