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Case1
患者:32歳、女性。
主訴:3年前からの動悸・頭痛・下痢・疲労感・微熱・肩こりなどの反復。
既往歴:片頭痛。
家族歴:特記すべき事項なし。
現病歴:20歳過ぎから頭痛があり、近医で「片頭痛」と診断され、鎮痛薬を適宜使用していた。しかし3年前から頭痛が悪化するようになり、総合病院で精査されたが異常なし。頭痛だけでなく、動悸・下痢・疲労感・微熱・肩こりといった多彩な症状で悩むようになり、心療内科受診を勧められたこともあった。ここ1年ほど頭痛のたびに動悸がし、吐き気も伴い、片頭痛治療については頭痛外来に通院していた。しかし疲労感はつのり、また2年間で5kgほどではあるが体重減少がみられている。頭痛は拍動性のことが多い。日ごとに体調が変わる感じであり、「パニック障害」と言われたこともあった。いくつかの病院を転々としたが、「HbA1c 6.9%ほどの耐糖能異常以外は、大きな異常はない」とされたという。今回も上記主訴について症状が改善しないため、当院総合診療科を受診したもの。特に、「ずっと微熱があり、何か熱が出る病気が隠れていないか」を心配しての受診であった。
身体所見:身長157cm、体重44.0kg。血圧154/102mmHg、体温37.0℃、心拍数72回/分、SpO2 99%(室内気)。胸部聴診:特記すべき異常なし。腹部診察:特記すべき異常なし。眼球突出なし、リンパ節腫大なし、甲状腺腫大なし、明らかな異常皮膚所見を認めない。
当院来院時検査所見:WBC 11,060/μL, Hb 13.2g/dL、Ht 40.1%、Plt 29.3×104/μL、Alb 4.4g/dL、T-Bil 0.9mg/dL、ALT 18IU/L, AST 16IU/L、BUN 6.0mg/dL、Cr 0.52mg/dL、CRP 0.01mg/dL、HbA1c 7.1%
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