特集 病歴と診察で診断できない発熱!—その謎の賢い解き方を伝授します。
【各論】さて、この検査をしよう!
感染症以外の疾患の見抜き方❶
西垂水 和隆
1
1今村病院分院救急・総合内科
キーワード:
診断の手がかり
,
骨髄検査
,
PET
,
ランダム皮膚生検
,
ナプロキセンテスト
Keyword:
診断の手がかり
,
骨髄検査
,
PET
,
ランダム皮膚生検
,
ナプロキセンテスト
pp.458-462
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200871
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Case
発熱24時間で受診し、検査データから早期に悪性リンパ腫の診断に至った1例
患者:50代、男性。既往なし。
現病歴:2日前まで問題なし。前日の夕方から微熱があり、来院当日38℃台になったということで夜間救急外来を受診された。発熱以外の症状はなく、sick感はない。身体所見で下肢にわずかに点状出血があったので気になり、採血を行ったところ、LDH(乳酸脱水素酵素)550IU/L、CRP(C反応性蛋白) 7.1mg/dLと上昇あり、軽度の血小板低下(Plt 9.1×104/μL)がみられた。胸部X線、腹部エコー、尿検査で異常なく、明らかな細菌感染のフォーカスは見つからなかった。未治療で翌朝受診してもらい、再検でLDHは705IU/Lとさらに上昇。造影CTでは軽度の脾腫のみで、明らかなリンパ節腫大はなく、熱源は不明であった。血液悪性腫瘍を疑い、週末はナプロキセンを投与して様子を見たところ1日で解熱。週明けに骨髄検査を行い、「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」の診断となった。
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