特集 病歴と診察で診断できない発熱!—その謎の賢い解き方を伝授します。
【各論】さて、この検査をしよう!
病理診断を依頼する時と、病理報告書を読む時の留意点は?
知念 克也
1
1練馬総合病院病理診断科
キーワード:
病理診断
,
赤痢アメーバ症
,
pathognomonic
,
陰窩膿瘍
,
コミュニケーション
Keyword:
病理診断
,
赤痢アメーバ症
,
pathognomonic
,
陰窩膿瘍
,
コミュニケーション
pp.453-457
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200870
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Case1
赤痢アメーバ症の1剖検例
患者:80歳、日本人男性。海外渡航歴なし。
既往歴:糖尿病(内服療法中。HbA1cは6〜7%。合併症なし)。
現病歴および経過:入院6〜4日前に国内旅行をし、刺身を食べたが生肉は食べてない。入院4日前から腹痛と下痢があった。入院当日トイレから立てない状態でいるのを発見され、救急車で搬送された。来院時、意識清明、血圧96/61mmHg、脈拍数133回/分、体温39.2℃。腹部全体に圧痛を認めたが、反跳痛はみられなかった。検査では高血糖(753mg/dL)と低Alb血症(1.2g/dL)が著明であり、便潜血が陽性を示した。WBC 11,000/μL、Hb 12.2g/dL、Ht 37.0%、Plt 28.5×104/μL。血液ガスは室内空気でpH 7.4、pO2 80.7mmHg、pCO2 26.7mmHg、HCO3- 16.3mmol/Lであった。「感染性腸炎」と診断し、輸液、インスリン療法、アルブミン静注、抗菌薬投与(セフメタゾール→メロペネム)を行ったが、病状は改善せず、第13病日に永眠された。便培養・血液培養はいずれも陰性であった。
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